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家庭不和による児童生徒の自殺について

増える小中高生の自殺の背景

新型コロナウイルスの流行からかなりの月日が経とうとしています。

マスク必須の自粛生活、会話制限、テレワーク、一斉休校、時短・分散登校など私たちの生活が一変しました。

街で幼い子どもがマスク姿で手を引かれ、店先では当たり前のように消毒液を手にこする健気な姿も見慣れてきてしまった今日この頃です。

当たり前でなかったことが当たり前に…、当たり前だったことが当たり前でなくなる…。

大人でさえも健康と今後の生活に不安を感じ、困惑してしまう事が多い中、多くの子どもたちが不安や困惑を抱え、懸命に適応し、向き合っています。

 新聞やニュースでも大きく取り上げられましたが、文部科学省が2021年10月に公表した調査によると、2020年度の小中高生の自殺が前年度から急増し、415人と調査開始以降最多となりました。(厚生労働省の調査では479人と公表されました。下記参照)

自殺に至った理由に「家庭不和」

子どもたちが自殺という重い選択に至った理由の半数以上が「不明」で、次に「家庭不和」や「保護者による叱責」と報告されました。

子どももしたい事を思い切りできない制限のある生活にストレスを及ぼすコロナ禍。このコロナ禍が小中高生の自殺増加に拍車をかけたのは明確でしょう。

子どもたちが自殺という重い選択に至った理由の半数以上が「不明」で、次に「家庭不和」や「保護者による叱責」と報告さ家族で過ごす機会が増えたことで絆が深まった家庭と、親の不安定な雇用や精神不安などによる虐待や離婚などの家庭不和に陥った家庭との二極化が見られました。

子どもにとっての安全基地であるはずの家庭の不和・親子関係の不和は、子どもたちにとって死を選ぶほどの真っ暗な絶望感に繋がってしまうものなのだと改めて痛感しました。

自殺という選択をする理由は1つでなく、複数の解決への道がすべて塞がれた状態であり、うっすらとでも希望の光を見出せない状態にあると思います。

『このまま生きていても仕方ない』『この世に自分を大切に思う人はいない』

と思いつめ、死を選ぶのでしょう。

この絶望感を救うのは、自分以外の人との繋がり=何か問題があってもこの人なら助けてくれるだろう・この人に相談すれば助けてくれるかもしれない、と感じられるかどうかではないかと思うのです。

その感覚があれば、自殺を踏みとどまる事につながるのではないかと思うのです。

産まれた子どもがまず初めに認識する他者は両親(保護者)と家族=第一基地、そこから生活地域の学校など=第二基地、そして自ら選択して関わる家族以外の他者(同僚・上司・友人・恋人など)=第三基地へと繋がっていくと考えています。

人は第一基地の親(保護者)との関わりを通して、他者との繋がりを学んでいくとされています。

成長とともにどんどん子どもが第一基地から離れていき、何を抱え、何を感じて生きているのか見えにくくなりますよね。

私も人の親として、心に刻んでいる『子育て四訓』があります。

『乳児はしっかり肌を離すな  幼児は肌を離し、手を離すな

   少年は手を離し、目を離すな  青年は目を離し、心を離すな』

特に思春期や第二次性徴の少年期以降は、扱いが難しくなります。

目をかけ過ぎてもいけないし、かけな過ぎてもいけない…。

明確な基準があるわけではなく、子どもの感じ方や性格によっても変わってくるので、親の裁量にかかっているのです。

第一基地の良好な夫婦関係、家族関係モデルは子どもに安心感を与え、外の社会に出ていく自信を育むのにとても重要な意味を持っているのです。

第一基地が崩壊し、歪んだ危うい状態では、子どもたちは安心感を得るどころか不安と不信で心が疲れ切ってしまいます。

子どもたちが、自殺という重い選択に至っているこの現実を、私たち大人はより重く受け止め、真剣に考えていかなくてはいけません。

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